共働き夫婦があたりまえと
言われるようになって
久しいですが、
平成28年では
専業主婦世帯664万世帯、
共働き世帯1,129万世帯。
共働き世帯が
専業主婦世帯の
約2倍に迫る勢いで増えています。
(総務省「労働力調査」)
(どうでもいいですが、
この「専業主婦世帯」って
呼び方、どうなんでしょうね・・・)
夫婦の収入の差こそあれ
「男性が外で働き
女性が家庭を守る」の構図は
すでに崩壊しています。
共働き世帯では
女性の負担が大きくなることが多く
それが原因で夫婦関係が
こじれてしまうことも。
私はその原因は
夫婦の育った環境に
よるところも大きいと
考えています。
共働き世帯数が専業主婦世帯数を
抜いたのは今から約20年前。
と、いうことは
「家の中のことは全部お母さんが
やってくれた」という環境で育った方の
比率はまだまだ高い。
「お母さんが至れり尽くせり」だったので
どうしても家庭のことで
自主的に動けない男性。
仕事をしているのに
「お母さんのように家のこともしないと」と
自分を追い込んで
ヘトヘトになってしまう女性。
当事務所における
共働き夫婦の離婚には
そんなご夫婦の組み合わせが
目立ちます。
これも「夫婦の形」の変化の過渡期を
表しているのかもしれません。
共働き夫婦が離婚をする際にも
お子さんは妻が引き取ることが多いです。
今まで夫婦で子育てを分担して
何とかやってきていたのに
(そもそもちゃんと分担できなかったから
離婚に至ったというケースが
多いのですが・・・)
離婚してお子さんを引き取った場合、
妻の仕事に影響がでてしまうことは
否めません。
お子さんが大きくなるまで
会社の時短勤務の制度を
利用する必要があったり、
昇進のチャンスにも影響が出てきます。
それは給料の収入減にも
直結します。
保育園の延長保育や
小学生のうちは学童保育の
必要性も出てくるでしょう。
このようなお子さんを引き取る側の
収入減と支出増に
「扶養的財産分与」で
対処するご夫婦が増えてきました。
「扶養的財産分与」とは
夫婦の一方が
離婚後の生活に不安がある場合、
生活基盤が安定するまで
収入の多い方から少ない方へ
財産分与の名目で行われる
生活費の援助のことをいいます。
専業主婦世帯が離婚する場合、
専業主婦だった妻は
すぐには仕事が見つからないし
見つかったとしても
キャリア不足から
十分な給料を受け取れない等の
場合に用いるのが一般的です。
この「扶養的財産分与」に関しては、
法的な規定はありません。
金額、期間等に明確な規定がないのです。
そのため諸事情を考慮に入れて
ご夫婦で取決めすることになります。
フルタイムで働いていた女性の場合、
フルタイムの時と比べた
時短勤務、昇進の遅れによる収入減、
さらに延長保育・学童保育による支出増は
お子さんの進路を考えて
取決める養育費と比べ、
不確定要素が少ないので
より具体的に算出することが
可能です。
その金額を公正証書に
「扶養的財産分与」として
取決めをすることは
共働き夫婦が増えてきた時代の
新しい形かもしれません。