前回からの続きです。
当事務所では
離婚の際の公正証書・協議書作成の
お手伝いをしています。
家庭裁判所において,
養育費又は婚姻費用の算定をする際に
参考とされる資料に
養育費・婚姻費用算定表
というものがあります。
ここでちょっとシミュレーションを
してみましょう。
夫:38歳 会社員 年収510万円
妻:38歳 会社員 年収299万円
ご夫婦の年収は
民間給与実態統計調査
(H28.9国税庁長官官房企画課
の「年齢階層別の平均給与」から
もってきました)
このご夫婦に5歳のお子さんがいるとします。
妻がお子さんを引き取るとして
養育費がいくらになるかを
先ほどの養育費算定表に当てはめると・・・
「養育費は月額2~4万円⁉」
そうですかぁ・・・
裁判所が活用している資料ですからね。
でも、ごめんなさい。
「自分の遺伝子引き継いだ大切な子どもを
育ててもらうのに、年収500万で
月2~4万円ってどういうことでしょう?」
「ちなみにSA●IXの
月謝56,700円(小6)だからね。」
と感じてしまうのは私だけでしょうか・・・
(あ、べつに学習塾を
お勧めするわけではありません。
金額の対比として見ていただければと・・)
それに加えて
ちょっと細かい部分見ていきますね。
このケースで実際に養育費を
3万円と取り決めたとして
児童扶養手当の所得制限は
どうなるか?
給与収入299万の
所得金額は180万円
そこから社会保険相当額引いて
養育費の8割相当を足しこむと・・
限度額超えてしまうので
「児童扶養手当がもらえない!」
⇒医療費助成の対象にならないかも
⇒水道の減免の対象にならないかも
⇒交通機関の割引受けられないかも
東京都に住んでいなかったら
児童育成手当無いし、
残るは児童手当1万円のみ。
養育費3万円と児童手当1万円。
それと自分のお給料。
それで子どもの世話+フルタイム仕事
残業ができなかったり、
休日出勤できなかったりで
今までより給料の手取りが
落ちる可能性が高いし
昇級もままならない。
かたや月に3万円を
振り込むだけ・・
養育費算定表だけをもとに
「裁判所で決められた金額」
と認識してしまい
決定してしまうのは
危険かと・・
もう一つ資料を紹介すると
日本弁護士連合会が
作成した新算定表。
こちらの表に
上記のケースを当てはめると
「養育費は月額7万円 」
裁判所の算定表とかなり違ってきますね。
じゃあどっちがいいの?
養育費の相場は?
・・・と、その前に考えていただきたいことが
あるのです。
続く・・・